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木の住まいコラム

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木材の防蟻処理を徹底解説!無処理でも大丈夫?健康被害は?

こんにちは。北陸型木の住まい研究会の田村です。

木材住宅の天敵、それは「シロアリ」です。木を主食とするシロアリは住宅の寿命を縮める原因となるため、構造上での必要な処置が大切です。一方で、シロアリの対策として住宅に薬剤処理をすることは、かえって「私たちの健康に被害を与えるのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、木材の防蟻処理(シロアリ対策)について解説します。

<1>防蟻処理とは?
<2>木材の防蟻処理の方法と効果
<3>防蟻処理はしなくても良いって本当?

<1>防蟻処理とは?

防蟻処理(ぼうぎしょり)とは、住宅のシロアリ被害を未然に防ぐための処理のことを言います。建築基準法では、木造の建物に対し、「構造耐力上主要な部分である、柱、筋かい及び土台のうち、地面から1メートル以内の部分には、有効な防腐措置、必要に応じてシロアリ等の虫による害を防ぐための措置」が義務付けられています。ただし、防腐・防蟻の方法についての指定はされていません。
「シロアリなんて見たことがない」「新築なら大丈夫」と考えがちですが、シロアリは北海道の一部を除いて日本全国どこでも生息していますし、昨今の地球温暖化によりシロアリの生息場所も北上しています。新築時にしっかりとシロアリ対策をして耐久性の高い家づくりをしましょう。

<2>木材の防蟻処理の方法と効果

防蟻処理の方法

木材の防蟻処理には、木材表面に薬剤を塗布する方法と木材内部に薬剤を注入させる方法の2つがあります。
表面処理は工場でも現場でも対応が可能ですが、表面にのみ薬剤を塗布するため、防蟻効果は木材内部に注入させる方法に比べて低いです。加圧注入処理は、工場で、圧力釜の中に木材を入れて真空状態にし、圧力をかけて薬剤を木材の中に浸透させるため防蟻効果が高くなります。

ただ、コストは表面処理に比べて加圧注入の方が高くなることがあるため、シロアリの被害を受けやすい土台は加圧注入させた木材を使用し、その他の柱や間柱などには現場塗布をするというのが一般的です。

薬剤の種類と効果

木材の防蟻処理に使用される薬剤は、農薬系薬剤とホウ酸系薬剤があります。

<農薬系薬剤の特徴>

➀シロアリの神経を破壊する「神経毒性」を持ち殺虫効果が高いためシロアリの駆除に効果がある
➁成分が分解される有機化合物のため効果は最大5年(5年ごとの再処理が必要)
➂揮発成分により長時間晒されるとシックハウス症候群の危険がある

<ホウ酸系薬剤の特徴>

➀シロアリが食べると死に至る「食毒性」を持ち、効果が長期間持続するため予防に効果がある
➁成分が分解されない無機物で浸透性が高いため効果が長期間持続する
➂不揮発性のため空気を汚さず環境にやさしく、腎臓を持つ哺乳類にとっての毒性は食塩と同程度のため人体への害はほとんどない
➃浸透性が高いため雨天時には薬剤が流れやすく、事前に薬剤処理した木材でも雨にさらされた後は再度現場で散布する必要がある

<3>防蟻処理はしなくても良いって本当?

実は、特定の条件を満たせば、建築基準法で定められている、「地面から1メートル以内の部分への防腐・防蟻の措置」は除外となります。

条件➀地面から1メートル以内の木材(柱や間柱、筋かい等)に耐久性区分D1の心材を使用すること
条件➁土台は耐久性区分D1の中でもヒノキ、ヒバ、ベイヒ、ベイスギ、ケヤキ、クリ、ベイヒバ、タイワンヒノキ、ウェスタンレッドシーダーのいずれかの心材を使用すること

耐久性区分D1とは、簡単に説明すると耐久性の高い樹種のことです。詳しく知りたい方は「耐久性区分D1」でぜひ検索してみてください。心材とは、丸太の中心に近い濃い色の部分から取った木材のことを言います。心材は含水率が低いため腐朽や虫害のリスクが低いと言われます。

ただ、一般的にはD1樹種であっても辺材部分があるため、防蟻処理を行う工務店が多いです。北陸は多雨多湿な気候であること、一度でもシロアリが侵入すれば食い荒らされてしまうことから、防蟻処理はした方が良いといえます。ホウ酸系薬剤は新築時のシロアリ予防として効果があり、また、環境や人体への害がほとんどないため、適切に処理することで予防効果が得られます。

家族の健康と、住宅の寿命、どちらも大切だからこそ、薬剤の処理について正しく理解することが大切ですね。

<まとめ>

防蟻処理(ぼうぎしょり)とは、住宅のシロアリ被害を未然に防ぐための処理のことを言います。防蟻処理の方法は、木材表面の薬剤を塗布する方法と木材内部に薬剤を注入させる方法があります。薬剤には、農薬系薬剤とホウ酸系薬剤があり、農薬系薬剤は殺虫効果が高いためシロアリの駆除、ホウ酸系薬剤は効果が長期間持続するため予防に効果があります。
実は、特定の条件を満たせば建築基準法で定められている、「地面から1メートル以内の部分への防腐・防蟻の措置」は除外となります。しかし、北陸は多雨多湿な気候であること、一度でもシロアリが侵入すれば食い荒らされてしまうことから、防蟻処理はした方が良いです。

北陸の気候に合った家の性能を学べる施設「ウッドリンク・ラボ」ではシロアリ被害や防蟻処理についての展示コーナーもご用意しております。ぜひご来場ください。

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