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学んでみよう!地盤から考える家づくり

こんにちは。ウッドリンクの多賀です。
8月頭にウッドリンク・ラボの展示内容が一部リニューアルされました。
前回のブログでは省エネゾーンに新たに導入された「冷気体感BOX」についてご紹介しましたが、今回は耐震ゾーンのリニューアルについてご紹介します。

 

耐震ゾーンのリニューアルは大きく2つです。

1つ目は、液状化現象をミニチュア模型で簡単に再現した動画が見られるようになったことです。

液状化現象とは、強い揺れによって地盤全体が泥のようになる現象のことです。液状化現象が発生した地域では、住宅の沈下や傾斜、道路の変形、水道管・ガス管の破損やマンホールの浮き上がりなど、被害は広範囲に及びます。地震の震源から離れた地域でも発生する地震被害であり、有名なのは東日本大震災時に震源から遠く離れた千葉県で発生したことです。能登半島地震では、石川県の内灘や新潟市でも発生しています。

イメージし難い液状化の起こり方と被害を動画で確認できます。
また液状化対策にもなる地盤改良の工法である「スクリュープレス工法」を紹介した動画も加わりました。液状化を抑制するメカニズムを分かりやすく解説していますので、是非ご覧ください。必見です!

 

 

2つ目は、建設地の地盤特性を検索できるシステムを導入したことです。

導入したのは防災科研が提供する「J-SHIS Map」です。このマップでは、建設地の住所を入力することで、震度5以上の地震の発生確率、地盤の揺れやすさである「地盤増幅率」などの地盤特性が瞬時に分かります。
「地盤増幅率」とは、地震の揺れが伝わったときの地盤の揺れやすさを数値化したものです。数値が大きいほど「揺れが増幅される=揺れやすい地盤」と読み取ることができます。

試しに自宅の住所を入力して出力してみたものがこちらです。

地盤増幅率1.42。どうやらやや揺れやすい「要注意地盤」だったようです。
このように結果が揺れやすい地盤となった場合、対策としては建物の構造体を強くすることが推奨されます。
ウッドリンク基準では、地盤増幅率1.4以上は「耐震等級3」を推奨しています。
また対策のレベルに応じて、地震の際にどのような揺れが起こるのかをシミュレーション動画で確認することもできます。

 

 

自宅は既に建設済みなので今更どうにもできませんが、もう少し構造体を強くしておけば良かったと悔やまれるところです。
このような後悔を残さないためにも、家を建てる前に地盤についてウッドリンク・ラボで学んでみませんか?

 

検索した地盤特性は「地震ハザードカルテ」として出力でき、印刷して持ち帰っていただくことも可能ですので、土地選びや構造体の強さを選ぶ際の目安にしていただくことができます。

ただしこのカルテで分かる地盤特性は、土地のこれまでの使われ方や周辺の地盤調査の蓄積データから、ある程度の範囲ごとに推定された地盤特性であり、ピンポイントの土地データではないことに注意が必要です。

家を建てる際は、ピンポイントで地盤増幅率をはかる「微動探査」を行うことをお勧めします。
また液状化リスクは建物を建てる前に行う地盤調査の際、追加で水位測定や土質サンプリングを行う方法もあります。気になった方は是非お問合せください。