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木の住まいコラム

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新築でできるアレルギー対策

こんにちは。ウッドリンクの山田です。

医療の発達により様々な病気の罹患率が減少している中、子どものぜんそくの罹患率は増加していることをご存知ですか?ぜんそくを発症する原因の多くはアレルギーが原因と言われています。アレルギーの原因物質(アレルゲン)は屋外だけでなく室内にも潜んでおり、私たちはアレルゲンに囲まれて生活しているといっても過言ではありません。

一日のうち長い時間を室内で過ごす方は多いと思いますが、室内のアレルギー対策を考えたことはありますか?特に新築を予定されている方は、環境の変化をきっかけにアレルギーを発症するかもしれません。新しい住まいで快適かつ健康に暮らすために、今回は新築でできるアレルギー対策についてお話しします。

1.住まいとアレルギー
2.新築でできるアレルギー対策

<1>住まいとアレルギー

私たち人間は1日に約14,400リットルもの空気を吸い込んでいます。しかもそのうちの約9割が室内の空気です。室内の空気は二酸化炭素、ウイルス、カビ・ダニ、化学物資などで汚れていて、これらの有害物質が人体に影響を及ぼすことがあります。特にカビ・ダニ・化学物資は代表的なアレルゲンで、ぜんそくやアレルギー性鼻炎などを引き起こす原因になります。アレルゲンを知り、適切な対策を行うことがアレルギー症状の改善に繋がります。

 

<2>新築でできるアレルギー対策

アレルギー症状を抑えるためには、原因となるアレルゲンを取り除く必要があります。空気清浄機できれいな空気を保つなどして一時的に症状が改善されたとしても、根本的な対策をしなければまた再発します。アレルゲンが活性化しにくい環境を作るという観点から、今回は新築時に取り入れたいアレルギー対策を紹介します。

【湿度コントロール】 

カビ・ダニの発生条件には湿度が大きく関係しています。ダニは湿度60%、カビは湿度70%で増殖しやすくなるので、湿度を60%以下にすることがアレルギー対策として有効です。ただし湿度が低すぎると今度は細菌やウイルスが活性化してしまうので、40~60%を保つようにしましょう。

湿度をコントロールする方法は色々ありますが、例えば調湿性能のある木材を仕上げ材として使用することで、室内の多湿や過乾燥を防いでくれます。特にスギは調湿性能に優れているので、天井や床、家具材に取り入れてみてはいかがでしょうか。木材の調湿機能だけで調整しきれない場合は、エアコンによる除湿や加湿器などを使用して、適切な湿度にコントロールしてください。

【結露を防ぐ】

結露で窓やカーテンが濡れるとカビの胞子やダニのフン・死骸が浮遊して、カビやダニが発生します。窓やサッシの性能が低いと、外気と室温の温度差で空気中の水蒸気が冷やされて水滴に変わります。窓ガラスとサッシの性能を高めることが結露防止に有効です。

窓の断熱性能を高めるには、ガラスの枚数とサッシの素材がポイントです。近年はペアガラス(2枚)に外側がアルミ、室内側が樹脂でできたサッシを組み合わせることが主流でした。しかし高断熱住宅が当たり前になっている中で、これからはトリプルガラス+両側樹脂サッシの時代です。ガラスが3枚あることで外気の熱が伝わるのを防ぎ、また樹脂はアルミよりも熱伝導率が低いので結露が発生しにくいです。

【自然素材を選ぶ】

建材や家具の接着剤からは、ホルムアルデヒドなどの化学物質が放散されています。これらの化学物質はアレルギー症状だけでなくシックハウス症候群を引き起こすこともあるので、できるだけ自然素材の建材・家具を選びましょう。例えば天然木のフローリングならホルムアルデヒド発生の心配がありませんし、樹種によっては調湿機能も期待できます。また家具は既製商品ではなく天然木を使った造作家具をオーダーすれば、安心かつ使い勝手も良くなりそうですね。

【F☆☆☆☆を選ぶ】

仕上げ材や家具は自然素材を取り入れやすいですが、柱・桁といった構造材や床の下地となる合板は接着剤を使ったものが多いです。接着剤を使う以上 放散量ゼロにはなりませんが、ホルムアルデヒドの放散量が少なく安全性が認められた材料を選ぶことでアレルギー症状発生のリスクを低減できます。

ホルムアルデヒド放散量の基準は日本工業規格(JIS)によって定められています。ホルムアルデヒド放散量はF☆~F☆☆☆☆で表示され、☆が増えるほど放散量が少ないことを意味します。放散量に応じて内装での使用制限が建築基準法で決められているのですが、F☆☆☆☆(エフ フォースター)は放散量が非常に少ないので制限なく使用することができます。家の骨組みに使われる集成材や合板は接着剤を使っているので、F☆☆☆☆の材料かを確認してみると良いでしょう。

<まとめ>

目には見えなくても、屋内には多くのアレルゲンが潜んでいます。アレルゲンはぜんそくやアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎を引き起こす原因になります。

アレルギー対策は室内環境を整えることが重要です。こまめな換気や掃除でアレルゲンを取り除くことはもちろん、性能の高い部材や自然素材選ぶなど、アレルゲンが発生・増殖しにくい環境を作ることが根本的な解決につながります。家づくりをきっかけに室内環境を見直してみてはいかがでしょうか。