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木の住まいコラム

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【補助金】こどもエコすまい支援事業でお得に家づくり

こんにちは。北陸型木の住まい研究会の田村です。

今回は「こどもエコすまい支援事業」についてお話します。
この事業は「子育て世帯・若者夫婦世帯が新築を建てるまたはリフォームをする場合に補助金が交付される」制度です。

2022年春以降、円安による食品の値上げ、電気料金の高騰などにより家計が圧迫されています。そこで、エネルギー価格高騰の影響を受けやすい「若者・子育て世帯の支援」として今回の補助金事業が創設されました。使える補助金を上手く活用し、お得に家づくりをしませんか。

ただし!この補助金は全ての人がもらえるわけではありません。この記事を見ていただくことで補助金を使える方法が分かります。

今回は新築住宅について次の3つの項目についてお話しします。

1.誰がもらえる補助金なの?
2.どんな家が対象なの?
3.何をしたらいいの?

<1> 誰がもらえる補助金なの?

新築住宅の場合は「子育て世帯」「若者夫婦世帯」が活用できます。
子育て世帯とは、申請時点で18歳未満の子供がいる世帯です。(平成16年(2004年)4月2日以降出生)
18歳未満の子供がいる世帯であれば世帯主の年齢は問いません。
若者夫婦世帯とは、夫婦のいずれかが39歳以下の世帯です。(昭和57年(1982年)4月2日以降出生)
このどちらかに該当していれば、補助金を活用できる可能性があります。

<2> どんな家が対象なの?

対象となる住宅は「ZEH水準の住宅」で補助額は100万円です。
「ZEH水準の住宅」といっても該当する住宅がいくつかありますので簡単に紹介いたします。

➀ZEH
ゼロ(Zero)エネルギー(Energy)ハウス(House)の略で「エネルギー収支をゼロ以下にする家」のことを言います。断熱と省エネにより消費エネルギーを減らし、さらに太陽光発電の設置により必要なエネルギーを生み出すことで一次エネルギー消費量を実質ゼロまたはマイナスにするものです。

➁Nearly ZEH
寒冷地や低日照地域、多雪地域で太陽光発電を設置しても十分な発電が出来ない場合に配慮したものです。発電量が少ないため、一次エネルギー削減率がZEHは100%以上であるのに対し、Nearly ZEHの場合は75%以上で良いというものです。

③ZEH Ready
太陽光パネルや蓄電池の価格は今後下がり、性能は上がることを想定し、「太陽光パネルや蓄電池を新築時に取り付けるのではなく後付けとし、住宅本体の性能を上げて一次エネルギーを50%削減しよう」というものです。太陽光発電なしで一次エネルギーを50%削減するためには断熱性・省エネ性をZEH基準以上にする必要があります。

③ZEH Oriented
「Nearly ZEH」よりさらに緩和されたもので、ZEH基準を超える断熱性・省エネ性を備えていれば、太陽光発電や蓄電池を設置しなくてもZEHと認定されるというものです。多雪地域または都心部などの狭小地では屋根面積や日照時間が限られるため、住宅本体の性能を上げることで一次エネルギーの消費20%削減することが条件となります。ただし、北側斜線制限の対象となる用途地域であること、敷地面積が85㎡未満であることも条件となりますのでご自身の建築予定地の用途地域を各自治体HPよりご確認ください。

④認定長期優良住宅(ZEH水準)
簡単に言うと「長く良好な状態を保てるように建てられた住宅」のことです。ZEH水準の断熱性・省エネ性に加えて、耐震性や劣化対策、維持管理、更新の容易性などの9つの基準を全て満たすことが条件です。ZEHやNearly ZEHとは異なり太陽光発電の設置は必須ではありません。

⑤認定低炭素住宅(ZEH水準)
「二酸化炭素の削減と高い省エネ性能を持った地球環境に優しい住宅」です。ZEH水準の省エネ性と低炭素化のための措置を満たすことが条件ですから、長期優良住宅よりも取得しやすい住宅です。

⑥性能向上計画認定住宅(ZEH水準)
「断熱性・省エネ性に優れ、法律に基づき認定された住宅」です。ZEHとの大きな違いは、エネルギー消費性能向上の住宅を確実に遂行するための資金計画がされているかどうかが条件に加わることです。

さらに、今回の補助金は延べ床面積が50m²以上、土砂災害特別警戒区域外であることも条件となります。ご自身の建築予定地が土砂災害特別警戒区域に該当するかは、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト(ハザードマップポータルサイト (gsi.go.jp))でご確認いただけます。

ここまでお話すると、「何だか難しそう」「逆にコストアップになるのでは?」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。もちろん、高性能化する分、イニシャルコストは高くなりますし、太陽光発電設備まで含めると、数百万円のアップになります。しかし、政府が推奨していることもあり、近い将来、住宅のスタンダードはZEHレベルまで引き上げられます。せっかく建てるなら、将来のスタンダードは満たしておきたいですよね。また、高性能化することで月々の光熱費が抑えられ、トータルコストで考えると将来逆転します。長く快適に、そしてランニングコストを抑えながら過ごすためにも、お得な補助金の活用を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

<3> 何をしたらいいの?

この補助金を使うためには、依頼する住宅会社が「事業者登録」している必要があります。既に事業者登録を行っている住宅会社は「こどもエコすまい支援事業のホームページ」で確認できますので、一度確認してみましょう。(こどもエコすまい支援事業【公式】 (mlit.go.jp))もし、名前が見つからない場合は、住宅会社に「こどもエコすまい支援事業を使いたい」と依頼してみましょう。登録は簡単にできますので、お願いしてみると良いでしょう。

申請は全て住宅会社が行います。施主であるあなたがすることは、➀事前に補助金の還元方法を「工事代金に充てる」か「現金で受け取る」かを住宅会社に伝えること、➁住民票を取りに行くことくらいです。

ただし、申請には注意点があります。基本的には住宅会社にお任せして良いですが、施主であるあなたもこの注意点を把握しておくと安心です。

➀工事着手
令和4年11月8日以降に対象工事(基礎工事より後の工程の工事)を行うものが対象です。

➁補助金の交付申請
交付申請期間は令和5年3月下旬~予算上限に達するまで(遅くとも令和5年12月31日)です。

③入居・完了報告
令和6年7月31日までに住宅の引き渡しと入居を行い完了報告を行ってください。
期日までに完了報告の提出が出来ない場合、補助金の交付が取り消されます。

まとめ

「こどもエコすまい支援事業」は18歳未満の子供がいる子育て世帯、または夫婦のどちらかが39歳以下の若者夫婦世帯が新築を建てる場合に補助金が交付される制度です。
対象となる住宅は「ZEH水準の住宅」で、補助額は100万円です。
補助金活用には、依頼する住宅会社が事業者登録を行う必要があります。まずは「こどもエコすまい支援事業を使いたい」と住宅会社に相談してみると良いでしょう。
お子様の年齢、またはご夫婦のどちらかの年齢が該当していれば申請可能ですので、この機会に補助金を上手く活用して高性能な住宅を建ててみてはいかがでしょうか?