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木の住まいコラム

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温暖化防止と森林の関係

森や木の働きは皆さんご存じですよね。一番最初に思い浮かぶのは、「二酸化炭素を吸って酸素を放出し地球温暖化に役立っている」というところでしょうか。

実は森林はその他にも、

・土壌保全・・・雨を吸収して蓄え、洪水を緩和したり水資源の流出を調整・浄化

・快適環境形成・・・暴風を防いだり、空気を浄化してくれる

・生物保全・・・いろいろな動植物をはぐくむ場

・レクリエーション・・・ハイキングやキャンプなどのレジャーを楽しめる環境

・文化育成・・・教育や芸術を育む

・物質生産・・・木材や食物、原料等の提供

 

など、私たち人間をはじめ動植物にとってもたくさんの恩恵を与えてくれています。

それではその森林を切り出して家を建てることは、環境によくないことなのでしょうか。

 

[森の働き]

皆さんが知っている、「二酸化炭素を吸う」という働き、実は伐採されるまで永久的に吸い続けれるわけではないのです。木も人と同様に年を取ります。だいたい50年ほどで吸収する機能が低下するため、その時期が来た木は伐採し、新たに活発に吸収してくれる若い木を植えてあげることによって、二酸化炭素の吸収能力を保つ健康な森を維持することができるのです。

伐採された木は、今まで吸収してきた二酸化炭素をどうすると思いますか?切り口から放出すると思いますか?実は木は一度吸収した二酸化炭素は放出することなくずっと蓄え続けるのです。

そして住宅や家具などに使いやすい形に切り出された後も、二酸化炭素は木に閉じ込められたまま放出することなく溜め込むため木材は「炭素の貯蔵庫」「炭素の缶詰」と呼ばれています。従ってこの木材を有効に利用することが重要です。

このように木は植えて、育てて、伐採して、利用してと、それを繰り返しながら使える循環型の資源となります。必要な伐採は悪い事ではなく、むしろ森林のバランスをとるために必要なことと言えます。

[木は二酸化炭素の貯蔵庫]

そんな木を使って家をたてるとき、二酸化炭素の排出量はどれくらいあるのでしょうか。木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造で比較してみます。

木造は建築時の二酸化炭素の放出量が少ない上に、完成後も多くの二酸化炭素を貯蔵できています。木で家を建てることは、地球温暖化に対する貢献度も大きく、環境にやさしい住宅と言えます。

近年は住宅だけではなく、学校や庁舎、オフィスや店舗の木造化も進んでいます。

森林が国土の約7割を占める日本。豊富にある資源を使用して、伐採→利用→植樹と循環を止まらせずに活発にさせることが重要です。ぜひ積極的に国産材を利用してもらえればと思います。国や地方公共団体などでは地元産の木材を使用して家を建築すると、補助金がもらえる制度もあります。ぜひ条件に合うものを探してみて活用をご検討ください。

 

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