<古くから使われてきた木材>
いざ家を建てようとなると、建築材料を何にしようと考えるかと思います。建築材料は国の歴史と結びついています。ヨーロッパでは床や壁に石材が利用されていますね。豊かな森を持つ日本では、古くから木材を使用してきました。
木の家は日本人にとって馴染みがあり、心をリラックスさせてくれます。それもそのはず、木の集まっている森自体には、生き物を守ってくれる機能があるのです。
<森は地球温暖化を防いでくれる>
森には多くの動物や植物が暮らしています。生き物の生態系を作り、守ってくれているということがあります。木が育つことで大雨でも土砂崩れが起こるのを防いでくれますし、微生物をたっぷり含んだ土壌は、雨水をゆっくりと濾過して浄化してくれます。森から蒸発していく水分が気温を下げ、都市部の気温上昇(ヒートアイランド現象)を抑えてくれたりもします。
また大切な役割の一つが、地球温暖化を防ぐことです。地球温暖化とは地球の気温が長い年月を掛けて上昇している現象をいいます。この原因の一つは、二酸化炭素などの温室効果ガスの濃度が上がることにあると言われています。単純な話、温暖化を防ぐためには、大気中の二酸化炭素を減らしていけばいいのです。
<木製品を長く使い、地球を守っていく>
木を始め植物は、太陽からのエネルギーを利用して二酸化酸素を吸収してくれます。有機物として二酸化炭素を自分たちの中へ固定してしまいます。これは木を加工して木材として使用してからも、蓄えられたままになっています。木製品を長く使うことは、貯まっている二酸化炭素を大気へ出さないことに繋がります。
この二酸化炭素の吸収は若い木ほど活発に行われます。そのためよく育った木を建材として使用し、木の家を長く大切に使う。そして空いた土壌に若い木を植えるという循環を作ることが、地球温暖化防止の一つの対策となるわけです。
<違法伐採により森林が減少>
しかし人間が生きる上で大切なこの森が、世界的に年々減ってしまっています。ある調査によれば、毎年東京都の面積の約24倍もの森林がなくなっているとも言われています。この原因としては、森林を伐採して大規模な農地を作ったり、焼畑農業を行ったり、森林が回復するのを待たずに伐採してしまうといったことが挙げられます。
中でも、その国や地域の法令を守らずに木を伐採する違法伐採が問題とされています。国際的な木材の需要に応じるため、取り決めを守らずに無計画に木が切られているのです。こういった違法伐採は、森林を消滅させ生態系を壊していきます。大量の木材が流通するため価格が下がり、森林資源を守ること自体が難しくなってしまいます。
<豊かな森を次世代へ残していく>
この世界的な問題に取り組もうと、日本でも2005年にイギリスで開催されたグレンイーグルズ・サミットにおいて、違法伐採に取り組むことを宣言しました。2016年5月にはクリーンウッド法が制定し、合法の上、伐採された木材を扱うことを努力義務としています。
当社では緑の循環認証会議(SGEC)から、非認証製品が混入されない適切な管理システムを採用した証として、CoC認証を与えられています。木材を扱う企業だからこそ、森を守ることに対して責任を持ちたい。これからの世代へも豊かな森を引き継いでいけるように、努力を続けていきたいと思います。