<欧米に比べ短い期間で建て替えられる日本の住宅>
ヨーロッパやアメリカに比べ、日本の住宅は短い期間で取り壊されます。データによると日本では住宅全体の6割が1981年以降に建てられており、1950年以前のものはわずか5%以下。欧米ではこの比率が大きく逆転し、特にイギリスでは1950年以前に建設された住宅は4割を越えるのです。
なぜ欧米は長期に亘り住宅を活用するかというと、家を資産の一つと考えているからです。特にヨーロッパでは築年数が経っているほど、長く愛される家として価値が上がる傾向にあります。一方日本は新築の家は年月が経過するほど価値が下がり、長期ローンを払い終わる頃には資産価値がゼロになるとも言われています。
<成長社会から成熟社会への転換>
日本がこうして「作っては壊す」を繰り返す理由の一つには、国民が持つ新築志向もあるようです。「新しくて気持ちが良い家が好き」「間取りやデザインを自分で選びたい」という気持ちの部分が大きいのですね。
しかしこれから人口減少を迎える日本は、右肩上がりの成長社会から成熟社会への転換が迫られます。所得や地価の上昇を前提として「作っては壊す」を繰り返すのは、無理が出てきます。作った住宅をほんの数十年で壊すのは、環境の点からも好ましくありませんよね。
<200年住宅ビジョンを元にした長期優良住宅>
日本では2006年に制定された「住生活基本法」を受けて、当時の福田首相が「200年住宅ビジョン」を掲げました。住宅を流通・建設・金融・維持管理・街並みの分野に分け、それぞれで200年住宅を実現すべく施策を行なっていくというもの。長期優良住宅はこれを基にしたビジョンとなります。
認定されるためには、構造・省エネ・劣化対策・維持管理のしやすさなど長く住み続けるための基準をクリアしなくてはなりません。そのため初期コストは従来の住宅より掛かる傾向にありますが、二世代、三世代と数百年に亘り住み続けることを考えれば、割安です。住む家への愛着もわくでしょう。
長期優良住宅は定期点検や補修などの維持保全計画を立てて、その通りに実行する必要もあります。点検補修はすべて記録されますので、売りに出す際の評価額を高く維持できる利点もあります。長期優良住宅にすることで、家は価値ある資産へと変わっていくのです。
<次世代へ安心して住める家を残す>
現在、一年間で建てられる一戸建ての長期優良住宅は、全体の約23%程度。税制面での優遇や地域型住宅グリーン化事業としての補助金の交付、フラット35Sの金利引き下げなどメリットもあります。これから徐々にこの割合は増えていくでしょう。
「北陸型木の住まい」の基本仕様は長期優良住宅の基準をクリアしています。特に耐震性能と省エネ性能に関しては基準を大きく上回る性能です。また経年劣化が極めて少ないためメンテナンス費用も少なく抑えることができます。面倒な申請のサポートも行なっていますので、長期優良住宅建設へのお手伝いができます。価値ある資産として、次世代へ引き継ぐ安心の家づくりを実現してみてはいかがでしょうか。