住宅にとって一番大事な骨組み、柱や梁と呼ばれるその木材には、いったいどんな木材が適しているのでしょうか。骨組みで使用される木材は、「集成材」と「無垢材」に分けられます。今回はそれぞれの特徴を紹介します。
<集成材>
集成材とは、木を薄い板状にしてしっかり乾燥させ、節や割れなど材料としては不適合な部分を取り除き、木目の方向をそろえて接着剤で接着してつくられた木材です。
木は水分をたくさん含んでいます。その水分をしっかり乾燥させてから使用しないと、縮んだり、割れたり、ねじれたりしてしまい、大事な家の骨組みに使用することはできません。
その点集成材は木材がきちんと乾燥されているか一枚一枚水分量を調べます。これは十分に乾燥が施された木材のみを使用するよう日本農林規格(JAS)で決められているからです。そのため品質が安定している材料と言えます。一緒に強度測定も行っているため、強度性能が明確で構造計算がしやすいというメリットもあります。
また接着して製造するため、厚さ・長さも自由自在に調整できます。また湾曲させることもできるため、デザイン性にも利点があります。
この集成材の接着は接着剤を使用していますが、この接着剤にはシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドなどの化学物質はほとんど含まれていません。また建築基準法で安全基準以下となっていますので、人体に影響は全くないので安全な木材だと言えます。
<無垢材>
無垢材は、修正や加工を全く行わない自然の木そのままでできているものをい言います。1本の丸太から切り出されているため、そのままの木目や質感を楽しむことができます。美しい木目、色、艶等が一本一本違う木材で唯一無二の住宅をつくることができます。
無垢材は加工を全く加えていないので、もちろん化学物質を全く含んでいません。また調湿機能やリラックス効果もあるので、人が集まるリビング・ダイニングのテーブルや柱、床などに使用いただければ快適な住環境をつくることもできます。
ただ無垢材の特徴としてこの調湿機能によって、木材が湿気を吸ったり放出したりすることにより木が若干伸び縮みします。フローリングに少しすき間ができたり、テーブルの天板が反ってしまう可能性もありますが、それも無垢ならではのものと思えば愛着も湧いてきます。無垢材ならではの風合いや雰囲気は既製品では表現できないですからね。
柱の状態で乾燥させるので時間がかかりますが、しっかりと乾燥させれば骨組みとして使用するこはもちろんできます。ただ集成材とことなり日本農林規格(JAS)の認証品が少ないです。
強度や制度が求められる家の柱や梁には日本農林規格(JAS)の規格に沿った集成材のほうが向いていると言えます。集成材は木材の良い部分を集めて接着していますので、安定性や機能性についても全く問題ありません。
ただ「集成材だからいい」「無垢材だからここに使うべき」という決まりももちろんありません。そこに住まう人が求めるものによって選び方はもちろん変わってきます。自分の自宅を建設する際には、間取りや設備だけでなく、骨組みも確認してみてください。
ウッドリンク・ラボでは、実際の住宅に使用されている集成材を展示しています。自由性がある集成材と温かみのある無垢材。ぜひ実物の木材を間近で体感しにきてください。
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