最終回は気密測定の現場を紹介します。実際どんな機械を使ってどのような作業を行うのか一緒に見ていきましょう。気密測定の詳しい方法についてはこちら
今回見学させてもらったお宅は2階建て、約35坪の住宅です。工事は配管工事が完了したところまで進んでいます。気密測定は気密工事完了(断熱工事・配管工事)後、内装の仕上を行う前に測定を行います。そうすることにより、測定によって見つかったすきまを発泡ウレタンや気密テープなどで埋めて気密性の改善を図ることができるからです。
それではこの住宅の仕様を確認していきます。
断熱材は、天井・壁・床全てネオマフォーム。断熱材と木材との境目には気密テープが貼られています。このテープは雨や湿気を通さず、また耐久性・粘着性の高いテープになります。断熱材のつなぎ目にもウレタンフォームが吹き付けてあるのが確認できますね。ここで使われているウレタンフォームはスプレー式で発泡し固まる断熱材です。そのため、小さなすきまにも入り込みやすいので、気密工事の際によく用いられます。
気密性が若干劣ると言われている引き違い窓は、全体で2割ほど使用されていました。
それでは気密測定ができる状況になっているのか確認を行います。まず閉じてもいい穴を塞いでいきます。例えば水栓の給排水口、換気の給排気口などがこれにあたります。この穴はすきまではなく必要な穴になるので養生テープやシート等で塞いでいきます。室内側だけでなく、室外側も確認が必要です。床下点検口も閉じてもいい穴なので、今回はシートを貼って仮に塞ぎました。
このように塞ぎ終わったら、一度機械を稼働させます。実は大きすぎるすきまがある場合は正確な測定ができないので、測定可能かチェックします。
問題ありませんでした。さあ、いよいよ測定開始です!
このバズーカのような機械を稼働させ、室内の空気を外に出します。そうすることによって、すきまから空気がどれだけ漏れて入ってくるか測定します。順調に測定は進み5分程度で1回目の結果が出ます。
そしてこの機械を稼働させたまま、すきま探しが始まります。すきまが生じやすい場所は、窓の周りや木材の接合部分。そこから風が吹き込んでいないか、手をかざしながら探します。
ありました!柱の接合している部分からかすかに風を感じます。ウレタンフォームでがっちりとふさぎます。
その他にも空気が漏れやすい部分として、
・基礎パッキンのつなぎ目
・引違い窓
・水回りの配管周り
が多いようです。
このように気になるところに手をかざして1箇所ずつ確認し改善していきます。
そして残り2回測定を行い、最終的な結果は計3回測定した結果の真ん中の値をとります。さてこのお宅のC値は・・・
なんと0.2㎠/㎡。正真正銘の高気密住宅です。気密がいいことによって得られるメリットが100%発揮される住宅になることでしょう。このように実測値がわかるのはうれしいですよね。この測定結果は報告書でもらうことができます。
さて、気密測定の現場はいかがでしたでしょうか。高気密住宅にこだわるならぜひ気密測定を行いましょう。実際に測定しないと高気密住宅とは言えません!気密性を高めることは家の寿命、住む人の快適さや安全を考えた上でとても重要なことです。ウッドリンクでは資格を持つ測定士が現場へ伺い測定させていただきます。
また1話でもお話ししましたが、気密性が高いことによって得られるメリットや断熱性能に関する詳しい内容は、ウッドリンクラボでも体験・体感していただけます。見学希望の方はぜひお気軽にお問い合わせください。
長持ちで快適な住宅には気密が大切コラム