前回は、繰り返す地震に耐えられる構造についてお話ししました。
最終回となる今回は、地震に備え、建築前にできるワンランク上の地震対策をご紹介します。
〈人命や財産を守るために〉
第3回で、「地震に強い家は、バランスが重要」とお話ししました。
またバランスを測る指標として、偏心率や直下率などをご紹介しました。
これらは家づくりにおいて大切な指標です。ですがあくまで一般的なものです。住宅には様々な形があり、1軒1軒違います。
一般的な基準だけを満たすことで、あなたの家が100%安心というわけではありません。
ではさらに安心な家にするため、耐震性を確認する方法はないでしょうか。
木造住宅倒壊解析ソフトウェアwallstat(ウォールスタット)なら可能となります。
〈耐震シミュレーション・Wallstat(ウォールスタット)〉
wallstat(ウォールスタット)とは、パソコン上で木造住宅をモデル化し、シミュレーションが可能となるソフトウェアです。
地震動を与えることで、「建物がどのように揺れるか」「どのように壊れるか」、また「どのようにしたら壊れないのか」を試し、変形の大きさや損傷状態を視覚的に確認できます。
〈地盤や積雪量も計算してシミュレーションできる〉
またwallstat(ウォールスタット)の優れているところは、微動探査から得られた地盤の揺れやすさや、積雪量などの要素も加味し、実際の住宅の条件に近い状態で地震による揺れを再現できるところです。
・軟弱地盤の場合
震度6が、震度7相当の揺れに増幅されることがある
・屋根に荷重がある場合
太陽光や積雪など、建物最上部が重いと揺れが増幅することがある
もちろん北陸型木の住まい研究会オススメの「プレウォール工法」を採用したケースも、シミュレーション可能です。
試験で証明された実際の強さを用いて検証できるので、プレウォール工法の特徴である粘り強さを確認できます。
wallstat(ウォールスタット)でシミュレーションすると、建設予定の自宅の倒壊映像を見てしまう可能性があります。
不安になるかもしれませんが、あくまでもこれは建てる前のシミュレーションです。
このシミュレーションの素晴らしい点は、判明した弱い部分をピンポイントで補強・対策ができることです。
<wallstat(ウォールスタット)を用い、検証から対策へ〉
wallstat(ウォールスタット)を使ったあとの流れを、図で整理しました。
対策は原因がわかってこそ可能となります。
事前にシミュレーションを行うのは、地震に強い家づくりの強い味方となります。
<実際に行なう、倒壊対策とは?>
シミュレーション結果で行う対策は、一律ではありません。
検証結果に応じて、その家に合った対策を提案していきます。
以下はその一例です。
・壁量を増やす
・壁の耐力性能をあげる
・壁や柱の配置変更により、バランスを整える
・制振ダンパーで更に揺れを抑制
そして対策後のプランで、再度シミュレーションを行ないます。
損傷の減少を確認できれば、安心できますね。
<地震の後も、安心して住み続けるために>
最後に、万が一地震が起こった後でも安心して住み続けられるよう、建てる前に是非行なっていただきたい重要なポイントをまとめます。
それは、以下のふたつです。
・微動探査を行い、揺れやすい地盤かどうかを確認する
・wallstat(ウォールスタット)で、あなたの家が地震に耐えられる構造体なのかを検証する
またこのふたつの対策を行なった住宅には、地震発生後の検証シミュレーションサービスを行なっています。
震度6以上の地震が発生し家が揺れた場合には、建築時のシミュレーションデータを基に実際の地震波を入力し、家に損傷がないかを無料で検証します。
災害は、いつどこで起こるかわかりません。
そのため、「備えること」の重要性が増してきています。
大切な家族を守るため、万全の対策をしていきましょう。
「一度、耐震について詳しく話を聞いてみたい」と思われたかたは、お問い合わせください。
ウッドリンクスタッフが、丁寧にご説明いたします。
地震に強い家づくりコラム