第1回は、国民の耐震意識を探ってみます。
<北陸地方は、耐震意識が低い?>
2019年2月、東京に本社を構える株式会社エヌ・シー・エヌが、全国2,889名に対し「住宅の耐震意識」と「地震の備え」に関する調査を行った結果によると北陸地方は耐震意識が低いという結果が出たようです。各項目別に、47都道府県のランキングも発表されています。
(参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000133.000004739.html)
それによると、耐震意識の最も高い県は神奈川県。同県は東日本大震災による県外からの転入世帯も多く、高い耐震意識を持つ方が多いのかもしれません。
一方北陸は、どの県も順位が半分以下でした。能登半島地震や新潟県中越地震など身近に震災を経験しているのに、なぜ意識が低いのでしょうか。
【耐震県ランキング】
34位 福井県 39位 新潟県 40位 富山県 41位 石川県
防災グッズなど地震の備えも、北陸地方は軒並みランキング下位でした。つまり「北陸に、大地震はこないだろう」との思い込みから、耐震への意識が低くなっているのです。
しかし日本は、地震の活動期に入ったと言われています。北陸も、安心なわけではありません。あなたの家の近くに、地震の原因となる活断層があるかもしれないのです。
<活断層があるとなぜ危険なのか>
では、わたしたちが暮らしている北陸地方には、一体どれくらい活断層があるのでしょうか。下の図をご覧ください。
マップ上のSランクとは、30年以内の地震発生率が3%以上を表しています。
どうでしょうか。北陸地方とその周辺にも、たくさんの活断層があります。まだ発見されていない活断層も、いくつもあるといわれています。
〈被害をもたらす2種類の地震〉
また地震には、「直下型」と「プレート型」の二種類があります。どのような違いがあるのか、解説します。
「直下型(内陸型)地震」…活断層のある、陸地が震源
活断層のズレで生じるのが、直下型地震です。ニュースで耳にしたことがあるでしょうか。過去の震災でも、大きな被害をもたらしています。
「プレート型(海溝型)地震」・・・海溝のある海が震源
2つめが、プレート型地震。近い将来、起こるといわれている、南海トラフ地震がこのタイプです。
海溝型地震が起こるとその影響を受け、内陸部にも歪みが発生し、直下型地震の誘発に繋がる可能性があります。
<活断層がある場合の対策>
家の近くに活断層がある場合、各自治体のホームページから以下の2点を確認しておきましょう。
- その活断層がどのような性質を持ち、およそ何年おきに大地震が発生しているのか
- 活動したときにどのような被害を想定しているのか
そしてなにより、「地震に負けない、強い家づくり」を行うことが重要です。次回は耐震の観点から、家を建てる前に知っておきたいポイントをご紹介します。
<地震が起こる確率をみてみよう!>
最後におまけです。Sランクの活断層は、30年以内に地震の起こる確率が3%以上あります。でも3%以上といわれてもなかなかピンときません。そこで身近にある確率を調べてみました。
・30年以内にガンで死亡する確率…6.8%
・ガリガリ君の当たり棒をひく確率…3%
・30年以内に交通事故で死亡する確率…0.2%
・ロト6の1等が当たる確率…0.000016%(ロト6の1等確率の低さには驚きです…)
地震の起こる確率は、ガリガリ君の当たりと同じくらいでした。ガリガリ君をよく買う人は、意外と当たりを引き当てているのでは。地震発生率3%以上は、数字から受ける印象よりも高い確率なのです。
どこに住んでいようと地震に対する“備え”が大切なこと、ご理解いただけましたか。
次回は、家を建てる前に知っておきたい地震対策のポイントについてご紹介します。家を建てる場所”地盤”が実はとっても重要なこと、知っていますか?